TC楽器さんの企画でお借りした、VOX TONE BENDER V828をレビューします。

VOX TONE BENDER V828は、1960年代のイタリア製ヴィンテージファズです。
いわゆるTone Bender MK1.5系の2石ファズで、Fuzz Faceにも近いモデルです。
実際に弾いてみると、ローが膨らみすぎず、カラッとした高域とスモーキーな歪み方が印象的でした。
今回はテレキャスターとQuilter Aviatorを使い、VOX TONE BENDER V828の音色やFuzz Face系ペダルとの違いを確認しました。

パッと鳴らした瞬間に、純粋にかっこいいなと感じたヴィンテージファズでした。
| どんな機材か | 1960年代のイタリア製ヴィンテージファズで、Tone Bender MK1.5 2石ファズ |
| 音の傾向 | ローが膨らみすぎず、カラッとした高域とスモーキーな歪み方 |
| 良かったところ | ギターボリュームを絞ると芯のあるクリーン〜クランチサウンドを作れる |
| 使い方のコツ | ATTACKを下げると軽いオーバードライブのようにも使え、LEVELでも高域の出方が変わる |
| 気になったところ | Fuzz Face系のような太く膨らむローを求める場合はキャラクターが異なる |
| ブランド | VOX |
| モデル名 | TONE BENDER V828 |
| 種類 | ヴィンテージファズ |
| 製造国 | イタリア |
| 製造時期 | 1966〜1968年ごろ |
| 回路系統 | Tone Bender MK1.5系 |
| トランジスタ | SFT363/SFT337 ゲルマニウム2石 |
| コントロール | ATTACK、LEVEL |
| 今回の個体 | 1966〜1967年ごろの個体として紹介 |
| ギター | テレキャスター |
| アンプ | Quilter Aviator |
| 確認した内容 | バイパス音、ATTACK、LEVEL、ギターボリューム、アンプ側の歪み、Fuzz Face系ペダルとの違い |
| 比較ペダル | OC系トランジスタがのっている初期Orga Face |
| 機材協力 | TC楽器 |
- VOX TONE BENDER V828は1960年代のイタリア製Tone Bender
- VOX TONE BENDER V828はカラッとしてスモーキーなヴィンテージファズ
- Fuzz Faceよりローが膨らみにくい
- ギターボリュームでクリーン/クランチサウンドも作れる
- ATTACKを下げるとオーバードライブのようにも使える
- LEVELでも高域の出方が変わる
- アンプは少し歪ませた方が馴染みやすい
- OC系トランジスタの初期Orga Faceと比較
- ヴィンテージペダル特有の音圧感と奥行きがある
- VOX TONE BENDER V828がおすすめの人
- VOX TONE BENDER V828をおすすめしない人
- VOX TONE BENDER V828は体感してほしいヴィンテージファズ
VOX TONE BENDER V828は1960年代のイタリア製Tone Bender
VOX TONE BENDER V828は、1960年代に作られたイタリア製のヴィンテージファズです。

英国製のTone Bender MK1.5に近い2石ファズの系統で、Fuzz Faceにも通じる構成です。
製造は、後にワウペダルでも知られるJENが担当していたとされています。
JEN製V828では、SFT363とSFT337のゲルマニウムトランジスタが使われています。

基板写真でも、SFT表記のトランジスタを確認できます。
コントロールはATTACKとLEVELの2つで、ATTACKは歪み量、LEVELは出力音量を調整するつまみです。
今回お借りした個体は、TC楽器の佐野さんが歪みすぎず歪まなすぎないバランスの個体として選んでくれたものです。
実際に弾いてみても、ギターボリュームへの反応やATTACKの効き方が良く、扱いやすい個体でした。
VOX TONE BENDER V828はカラッとしてスモーキーなヴィンテージファズ
VOX TONE BENDER V828は、鳴らした瞬間にかっこよさが伝わるヴィンテージファズでした。
音の印象としては、カラッとした高域がありながら、歪み方には少しスモーキーな質感があります。
ゴツゴツした硬いファズではなく、しっかり鳴りながらも弾いていて気持ちいいサウンドです。
テレキャスターのネックポジションで弾いても、低域が膨らみすぎず扱いやすいバランスでした。

弾いていると、素直に欲しくなるサウンドでした。
Fuzz Faceよりローが膨らみにくい
VOX TONE BENDER V828は、Fuzz Face系のペダルと比べると低域の出方が違います。
Fuzz Face系のゲルマニウムファズは、ローが太く膨らむ方向に出ることがあります。
VOX TONE BENDER V828は、低域が飽和しすぎず、巻き弦を弾いた時もすっきりした印象です。
低域が整理されているため、ネックポジションでも使いにくさは感じにくいモデルでした。
VOXアンプのようなダークな響きのアンプに合わせやすいという話にも、納得できる鳴り方です。
ギターボリュームでクリーン/クランチサウンドも作れる
VOX TONE BENDER V828は、ギターボリュームを絞った時の変化も良い個体でした。
ギターボリュームを絞ることで、クリーンからクランチサウンドまで作れます。
ボリュームを絞った時は、高域がグッと立つような変化もあります。
音が薄くなるというより、高域が残ったまま整理される感じでした。
ギターボリュームへの反応が良く、手元で音作りしやすい個体です。

ギターボリュームを絞った時も、薄っぺらくならないところが良かったです。
ATTACKを下げるとオーバードライブのようにも使える
VOX TONE BENDER V828のコントロールは、ATTACKとLEVELの2つだけです。
ATTACKはゲイン量、LEVELは出力音量を調整するつまみです。
ATTACKを12時前後まで下げると、軽く歪んだオーバードライブのような音も作れます。
ファズだからといって、ATTACKを常に最大付近だけで使う必要はありません。
今回の個体は、ファズ以外の使い方もできる懐の広さがありました。
ATTACKを最大から少し戻すだけでも、ゲインの出方は細かく変わります。
試奏では、3時付近から最大までの間にも、ゲインが変わるポイントがあると感じました。
ギターボリュームでクリーン寄りの音を作る場合は、ATTACKを少し下げた位置の方が扱いやすいです。
つまみは2つだけですが、細かい音作りが楽しめるファズでした。
LEVELでも高域の出方が変わる
LEVELは単なる音量調整だけではなく、高域の出方にも影響します。
LEVELを最大に近づけると、ギラッとした高域が出やすくなります。
少し下げた位置では、音が柔らかくなる変化もありました。
Fuzz Face系にも近い部分で、2ノブのファズはつまみの位置で印象が大きく変わります。

シンプルな操作系ながら、触っていくほど奥の深さを感じるペダルです。
アンプは少し歪ませた方が馴染みやすい
試奏では、アンプ側を完全なクリーンではなく、少し歪ませた状態でも確認しました。
完全なクリーンでも鳴らせますが、少し歪ませたアンプに踏む方が馴染みやすい印象でした。
アンプ側に軽い歪みがあると、ファズを踏んだ時の音が馴染みやすくなるなど、アンプとの組み合わせでも印象が変わりますね。
OC系トランジスタの初期Orga Faceと比較
今回は、OC系トランジスタがのっている初期Orga Faceとも比較しました。
VOX TONE BENDER V828と比べると、ロー側の鳴り方が大きく違いました。
初期Orga Faceの方が、低域に太さがあり、Fuzz Faceらしいローの出方でした。
VOX TONE BENDER V828は、巻き弦を弾いた時もローが膨らみすぎない方向でした。
一方で、スモーキーな歪み方には、VOX TONE BENDER V828と通じる部分もありました。
同じゲルマニウムファズでも、回路やトランジスタによってローの出方や歪み方が変わる点が面白いところです。
ヴィンテージペダル特有の音圧感と奥行きがある
筐体の大きさも関係しているのか、ヴィンテージ特有の音圧感や余韻の出方にも独特の魅力があります。
VOX TONE BENDER V828で印象に残ったのは、単なるトレブリーなファズではないところです。
高域はしっかり出ますが、嫌な高域が耳につく感じではありません。
耳障りの良い高域と柔らかさがあり、ヴィンテージペダルならではの良さを感じるサウンドでした。

ヴィンテージファズのサウンド、実際にアンプで鳴らして体感してほしい部分です。
VOX TONE BENDER V828がおすすめの人
- これじゃないとダメな人
- 1960年代のヴィンテージファズが好きな人
- Fuzz Faceより低域が締まったファズを探している人
- ギターボリュームで音を作れるファズが好きな人
- カラッとした高域とスモーキーな歪み方を試したい人
- TC楽器で実際にヴィンテージファズを体感したい人
VOX TONE BENDER V828をおすすめしない人
- 強烈にローが出るファズを探している人
- ヴィンテージ機材の個体差を避けたい人
- 大きな筐体のファズをボードに入れたくない人
VOX TONE BENDER V828は体感してほしいヴィンテージファズ
VOX TONE BENDER V828は、カラッとした高域とスモーキーな歪み方が印象的なヴィンテージファズです。
Fuzz Face系に近い素性を持ちながら、低域の膨らみ方や手元を絞った時の音は違います。
ATTACKやLEVELの位置でも音色が変わり、ファズ以外の軽い歪み方も作れます。
動画で音の方向性は伝わりますが、音圧感や余韻の出方はアンプで鳴らすと印象が変わる部分です。

TC楽器さんで試せる機会があれば、スピーカーから出る音を体感してほしいペダルです。









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