
「PROCO RAT」を年代別に比較、音の傾向をレビューします!
- 86年製「RAT1」
- 88年製「RAT1」
- 87年製「RAT2」
- 93年製「RAT2」
名機として「RAT」の中でも評価が高いのが「RAT1」、
僕も大好きで手元に残しているペダルの一つです。
「RAT」使用者、アーティストは大勢いらっしゃいますが、
僕の中では「Jeff Beck」「いまみちともたか」「青木裕」氏でしょうか(^^)

「PROCO RAT」ですが発売当時、挙動も含め、かなり斬新なエフェクターだったそう。非常に人気の高かったと聞いてます。
「PROCO RAT」の歴史を簡単に紹介
「PROCO RAT」の歴史を遡りますと、
78年にラージボックスと呼ばれる大きな筐体のRATが登場します。

82年製のラージボックスを弾かせてもらったことがありますが、スモールボックスとは音が違いました^^;
その後、84年以降にスモールボックスと呼ばれる「RAT」が登場。

写真は86年製の「RAT」ですが、
この筐体の物がスモールボックスといわれる「RAT1」となります。

見た目はボロボロですが塗装の兼ね合いで、この手の個体はよく見かけますね。
その後、LEDが搭載された「RAT2」へ。
他にもTurbo RAT、BRATなどなど、とにかく様々な種類があり、
今では「FAT RAT」なる物まで販売されていて、いまだに進化し続けています。

後ほど解説しますが、RAT1とRAT2は併売されていたそう。つまり、僕の所有するRAT1とRAT2は正に移行期の物と思われます。
「Proco RAT」のシリアルについて
RATのシリアル番号についてですが、
- RAT1 White Face 1万~2万番台
- RAT1 Black Face 3万~5万番台
- RAT2(RAT1筐体)6万番台
とのこと(情報提供:Thanks! CAMURO)。

僕の所有する「RAT1」は88年製、シリアルは90000番台ですので、後期仕様のRAT1と思われます!
思っていたよりもRAT2のシリアルが古い(若い?)ですよね。
僕が所有するRATは、88年製「RAT1」と87年製の「RAT2」。


あれ?なんで「RAT2」のほうが古いの?
そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
僕の所有する「RAT2」は、RAT1からRAT2へ変わる過渡期仕様のRAT2とのこと。
ちなみに87年製のRAT2のシリアルは80000番台。

88年製のRAT1は90000番台。

RAT1の生産が完了してからRAT2が発売されたのではなく、
並行して販売されていたと聞きますが、まさに手元にある個体がそれを証明しています。
ちなみに年代の判別方法は次に紹介する
「ポットデイト」でチェックする方法もあります。
PROCO RATの年代を判断するにはポットデイトをチェックする
何年製か?年代の判断ですが、ポットデイトをチェックする方法があります。

あくまで一つの方法、簡単な見分け方です!参考程度にお考えください…
例えば、僕の所有する
88年製のRAT1のポットデイトを見ますと、
「1378816」とあります。

「88」という部分が製造年、
「16」という部分が生産された週とのこと。
つまり、88年の16週目のポットとなりますので、
88年でも比較的、早い時期の個体と判断できます。
ちなみに87年製RAT2のポットデイトはこんな感じです。


RAT2は88年製に販売されたと聞きますので、もしかすると余っていたポットを使って作られたRAT2なのかも。謎は深まりますが、RAT2初年度の個体であることは間違いないと考えています!
RAT(86年製・87年製・88年製)の基板を拝見
ではRATの基板を見ていきましょう!
86年製RAT1、基板内を見てみますと、
オペアンプには「モトローラーLM308」。

「RAT」といえば、このオペアンプと言う方も多いのではないでしょうか。
RAT2と併売していた時期のRAT1であるためか、
基板を見てみますと、LED用の穴、パーツが乗っていない箇所があります。

オペアンプはこちらもモトローラ社製。

LEDが搭載されたばかりの「RAT2」。

オペアンプはモトローラ社製。

音については後ほど詳しく解説しますが、
年代の近い88年製のRAT1とは違いました…^^;
LEDが搭載されたことで回路も変更された影響なのかもしれません。

ちなみに…同年代でも基板の色が違うものもありますし、音も違うなどなど…個体差があると言われますが、確かに試した感想から言いますと…頷けます^^;
RATのオペアンプを交換しサウンドチェック!
モトローラ社製のオペアンプじゃないとダメ!
とは言い切りませんが、モトローラ社製のオペアンプは人気があります。
僕も一時期、気になったことがあって、
先ほど紹介した87年製のRAT2をベースに、
以下のオペアンプを検証したことがあります。
- モトローラ社製 LM308N
- ナショセミ(NSC) LM308AH(缶タイプ)
- ナショセミ(NSC) LM308N ON LABEL KOREA

確かに変わりますし、検証した結果から言いますと、僕の好みはモトローラ社製でした!
「Proco RAT」の音ってどんな音?
ローカット気味のカラっとした、
アメリカンディストーションといった感じ。
ラットサウンドとはこういうものだ!
と言われるのもわかる個性的な音ですね。
この「RAT」はディストーションとしてだけでなく、
軽めに歪ませたクランチサウンドも作れます。
またブースターとしても使えますし、
さらに「Deistortion」をMAXにすれが…
ファズのような歪みまでも作れちゃいます。
ちなみに「Filter」は、
一般的なトーンとは効きが逆、
右回しで音が高域をカットしていきます。
結構ハイ上がりなサウンドなので、
僕は大体2時以降のセッティングぐらいで使っていました。

ちなみに僕は「Distortion」を9時前後、「Filletr」は2~3時ぐらいにセッティングした、クランチサウンドで使うのが好きですね。
「RAT」は生産時期によって音が違う
年代によって、見た目が変わりますが音も違います。
そもそも、RAT1とRAT2で音が違います。
「RAT1」と現行品「RAT2」は、
音は変わらないといっている人もいますが、
ハッキリいって…現行品とは結構違うと僕は感じました。
「RAT1」のほうが音に柔らかさと太さがあり、
ギターボリュームを絞った時も使えるクリーンサウンドも鳴らせます。

昨今のアンプライク系ペダルのような艶・ハリ感はありませんが^^;
また「RAT1」は単音で弾いた時も太く、ソロやリフプレイにも映えます。
この「New Rat」は中国製のものですが、
やはりエッジーなサウンドであるのに対し、
「RAT1」のほうがウォームなサウンドかなと。
あと不思議ですがこういうニュアンスって…
他のヴィンテージペダルにも共通する点なんですよね。
この違いはRATに限らず、
「maxon OD-808」「BOSS SD-1」、
「MXR Distortion +」にも感じられます。
勿論、現行品でもゲインを下げれば、
近いニュアンスはありますが「RAT1」とは違うんですね、、

僕は生産時期による違いは結構あると感じてまして。その違いが未だに「RAT1」が人気の理由なのかもしれません^^
各年代のRATについては「きになるおもちゃさん」でも紹介しています!見ごたえある記事ですので是非^^
88年製「RAT1」と87年製&93年製「RAT2」を比較!
では、88年製「RAT1」と87年製「RAT2」、
93年製「RAT2」とサウンドを比較してみました。
音は「RAT1」のほうが、
乾いた音と突き抜ける高域、カラッとしたサウンドが魅力的。
「RAT2」も87年製は93年製よりも太いサウンド、
歪ませていくとかっこいい音がしますが、RAT2はRAT2。
個体差レベル、ニュアンス的に近いものがありました。

ちなみに先ほど基板等、紹介した併売期のRAT1とRAT2だけを解説付きで動画を撮ってみました!
まとめ
RATもなかなか奥深い「沼」なペダルです(笑)
実は僕が気に入っている88年RAT1も元々は友人の物でして。
友人から譲ってもらうまで、
年代、近いシリアルの物を数台買ったものの、
同じ音の個体はなかったんですよね…泣
本当に譲ってもらえて良かったです…
とはいえ、もし「RAT」買うのであれば、
僕が所有している87年頃の「RAT2」なら、
価格もまだ高騰していないので何気におすすめです( ´艸`)
この「RAT」は一時代を作ったものなので、
もし弾く機会があれば、是非弾いて欲しいペダルですね^^
RAT系で買う現行モデルでおすすめなペダルはコレ
RAT系ペダルはたくさん世の中にありますが、
国内ビルダーが製作するもので紹介いたしますと、
「ignition/of/mass-products//」さんが作る「ART」です。

実はこれ、お気に入りの88年製RAT1に似ていたんです。
しかもCHEWモードといった独自のサウンド、面白いギミックまで。
なかなか手に入れにくいのですが、
RAT好きの方であれば、ぜひ試してみてほしいペダルです!
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