好きな歪みにアッパーオクターブを足せる、EarthQuaker Devices Tentacleをレビューします。

つまみはなく、フットスイッチだけでエフェクトをオンオフするペダルです。
音量や歪み量を調整するタイプではなく、鳴らしているサウンドにアッパーオクターブの質感を加えるペダルです。
実際に弾いてみると、オクタビア系のように歪みまで一緒に押し出すというより、クリーンやクランチ、ファズの上に独特のアッパー感を乗せる印象でした。
単体で音を作り込むというより、お気に入りの歪みやファズの前後に置いて、いつもの音を少し危ない方向へ振るための一台です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | EarthQuaker Devices |
| モデル名 | Tentacle |
| 種類 | アナログ・オクターブアップ |
| コントロール | なし |
| スイッチ | Flexi-Switch対応 |
| バイパス | リレー式トゥルーバイパス |
| 電源 | 9V DC センターマイナス |
| 消費電流 | 10mA |
| 生産状況 | 公式サイト上では生産完了 |
Tentacleは、EarthQuaker DevicesのHoof Reaperに搭載されているオクターブ部分を単体化したペダルです。
細かい設定で迷わず使える反面、音量差やかかり具合を本体側で調整したい人には、少し割り切りが必要です。
Tentacleの音は歪ませる音ではなく足す音
Tentacle自体で歪ませるペダルではないため、元の音の上にアッパーオクターブの成分を乗せるペダルです。
オクタビア系のペダルでは、オクターブ感と一緒に歪みっぽさも出てくるモデルがあります。
Tentacleは歪み感がほとんどなく、アッパーオクターブを付与してくれる印象でした。
オクタビア的な荒さや暴れ方を期待すると、少し物足りなく感じる人もいると思います。
逆に、使用中の歪みのキャラクターを残したまま、アッパーオクターブサウンドを足したい人には使いやすいモデルです。
クリーンに踏むとエフェクトサウンドがわかりやすい
クリーンでTentacleを踏むと、アッパーオクターブの存在がわかりやすく出ます。
ただし、オクターバーのように綺麗に1オクターブ上が重なる感じではありません。
もっとギターらしい、少し金属的でクセのある鳴り方です。
音程の追従をきれいに整えるというより、フレーズに独特の引っかかりを作るタイプです。
単音で弾くとわかりやすく、12フレットあたりのポジションではアッパーオクターブの雰囲気が出やすくなります。
コードを大きく鳴らすより、単音フレーズや短いリフに絡める方が使いやすいでしょう。
クランチサウンドに足すとトリッキーな質感になる
クランチサウンドにTentacleを足すと、エフェクティブな雰囲気は強調され、フレーズの輪郭にギラッとした成分が加わります。
音が極端に潰れる感じは少なく、歪みペダル同士を重ねた時のようなローの膨らみや扱いにくさも控えめです。
Tentacleは本体側で過度に歪ませるタイプではないため、前後のペダルとぶつかりにくい印象でした。
アッパーオクターブ系のペダルと比べてもTentacleは、元の歪みを活かしながらアッパーオクターブだけを足しやすいペダルでした。
ファズの前段でも後段でも使える
レビュー動画では、Tentacleを歪みの前に置いた場合と、歪みの後ろに置いた場合も試しています。
結論として、他の歪みペダルの前段、後段でも使えました。
歪みの前に置くと、Tentacleで作ったアッパーオクターブ感を後段の歪みでまとめるような感じになります。
歪みの後ろに置くと、すでに歪んだ音の上にアッパー感が乗るため、エフェクト感が前に出やすい印象でした。
ファズフェイスの後ろに置いても、ベンダー系の歪みの前に置いても、アッパーオクターブのキャラクターはきちんと出ていました。
正解を決めるより、欲しいサウンドの出方で位置を選ぶとよいでしょうね。
お気に入りのファズや歪みがある人は、前段と後段を入れ替えて試す価値があります。
ストラトのフロントピックアップと相性がいい
アッパーオクターブ系のペダルは、ストラトのフロントピックアップで弾いた時に特色が出やすいです。
Tentacleも同じで、リアピックアップよりフロントピックアップの方が、独特のアッパーサウンド感がわかりやすく出ました。
ジミヘン的なニュアンスを狙うなら、フロントピックアップで高めのポジションを弾く使い方が気持ちいいでしょう。
ギターボリュームとトーンで表情が変わる
Tentacleは本体にノブがなく、ギター側のボリュームやトーンで雰囲気を変えられます。
ギターボリュームを少し絞ると、リングモジュレーターっぽい不思議な質感が出ます。
ボリューム10の時よりも、7〜9あたりにした時の方が、アッパーオクターブの鳴り方にクセが出る場面があります。
また、トーンを絞ると金切り音的な鋭さが少し丸くなります。
逆にトーンを上げると、アッパーオクターブのギラッとした感じが前に出ます。
本体にコントロールがない分、ギター側の操作で表情を作る楽しさがあります。
フェイザーとの組み合わせも面白い
所長としてお気に入りの鳴らし方は、Tentacleにフェイザーを組み合わせたサウンドです。
アッパーオクターブサウンドに、フェイザーの揺れが加わるとトリッキーな雰囲気を作れるからです。
特にギターボリュームを少し絞った状態でフェイザーをかけると、普通のファズやオーバードライブでは出しにくい、リングモジュレーターやビットクラッシャー的なサウンドになります。
過激なフェイザーと合わせても面白く、Tentacleは単体で完結させるより、他のペダルと組み合わせても面白いペダルです。
位相反転はしないアッパーオクターブペダル
Tentacleは位相検相器でも確認したところ、エフェクトオンにしても位相反転はしませんでした。
アッパーオクターブ系のペダルでは、エフェクトをオンにした時に位相が反転するものもあります。
例えば、Lovepedal believeやPEI C.O.B. Clean Octave Blendなどです。
Flexi-Switchで一瞬だけオンにもできる
Tentacleには、EarthQuaker DevicesのFlexi-Switchが搭載されています。
普通に踏めば、一般的なエフェクターと同じようにオンとオフを切り替えられます。
長押しすると、押している間だけエフェクトがオンになります。
モーメンタリー動作は、Tentacleのような飛び道具系ペダルと相性がいいです。
フレーズの一部分だけアッパーオクターブを足したい時に、スイッチを押している間だけ効果をかけられます。
常時オンで使うより、ここぞという瞬間だけ踏む使い方にも向いています。
電源は必須。電池駆動ではなくパワーサプライ前提
Tentacleはリレー式のスイッチを採用しているため、電源供給が必要です。
ペダルボードに組み込む場合なら、パワーサプライから電源を取ればよいでしょうね。
電源は9V DCセンターマイナス、9V以上の高い電圧では使用できません。
Tentacleがおすすめな人
Tentacleは、お気に入りの歪みペダルにアッパーオクターブサウンドを付与したい人におすすめです。
また、単音フレーズに飛び道具的なニュアンスを加えたい人にも合います。
スイッチひとつで効果が出るため、細かいセッティングが面倒な人にも使いやすい点が魅力です。
Tentacleをお勧めしない人
Tentacleはかなりシンプルなペダルで、できることはアッパーオクターブを足すことに限られます。
音量調整も、トーン調整も、歪み量の調整もありません。
細かく調整したい人なら、Lemon & Ginger Fuzzmanなどが良いでしょう。
まとめ
EarthQuaker Devices Tentacleはお気に入りのサウンドに、アッパーオクターブを足せるシンプルなペダルです。
迷わず一発で、アッパーオクターブを足せる使いやすいモデルです。
歪まないオクタビア系のアッパーオクターブサウンドであり、他のペダルと組み合わせることで飛び道具的なサウンドも作れます。
特にストラトのフロントピックアップや、ギターボリュームを少し絞った時のサウンドは試してほしいですね。










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