2004年に「Human Gear」から、
国内100台限定で販売されていた、
「CROWTHER AUDIO Hot Cake ’77 Reissue」です。
海外では「Japan Limited」といった感じで紹介されていますね。
Hot Cakeが国内販売されたのは、
確か90年代中頃(94年~)なのですが、
実はオリジナルは70年代に存在していたとか。
現行品のオールドサーキットも、
オリジナルを意識したモデルらしいですが、
この「77 Reissue」は90年以降発売されている、
オールドサーキットとは別物といえるモデルでした。
ペダルレビュー
パッと見た感じ、ツマミの数やミニスイッチなど、デザイン以外は大きく変わりません。
まずレベルとゲインのツマミ、
レベルは一般的な動作なのですが、
ゲインは左回しで歪み量が増えていきます。
モード切り替えスイッチは、
「ノーマル」と「ブライト」とあり、
国内販売されてからの物にはない表記です。
後ほど解説しますが、
この2種類のモードで異なる、
サウンドキャラクターが得られます。
あとHot Cakeといえば、
バイパス時でもバッファ効果が得られますが、
この「77 Reissue」に関しても同様です。
いかにもバッファといっても原音に対し、
少しだけ音を締める、まとめる感じで嫌らしい感じはなかったです。
国内で販売されはじめた頃のHot Cakeは、
DCジャック未対応でしたがこちらは対応していますね。
サウンドレビュー
両チャンネル共にドライブMAXで、
ファズを思わせるぐらいまで歪みますし、
ドライブを下げれば、クリーンまでゲインは下がります。
またアウトプットレベルも高く、
いわゆるクリーンブースター的にも使えます。
それと手元、ギターVOLへの追従性もよく、
ミニスイッチでノーマル、ブライトの2種類の音色を楽しめます。
このチャンネルですが、
かなりキャラクターが違いまして、
ざっくり印象をいいますと、
ファットでコンプ感の強めの歪み
ハリ・艶のあるサウンドでオープンかつダイレクト感のある歪み
かなと。
特にブライトチャンネルの場合、
アンプを選びにくく、プリアンプ的にも使える印象がありました。
Roland JC-120で鳴らしてみた
例えば、JC-120で弾いてみましたが、
僕的には相性も、使い勝手も良かったです。
ただ…ツマミ(特にDrive)の位置によって、
かなり出音の印象が変わってしまいますので、
セッティングは意外とシビアかも^^;
ただコツさえ掴めば、ツマミの数は少ない分、
セッティング次第で色々な音が出せる楽しさはありましたね^^
96年製「Hot Cake Old Circuit」と比較してみた
今回、96年製のものと比較できました。
ドライブ、レベル、
両ツマミの挙動、歪みの質感は似ていました。
ただ、モードを切り替えた時のサウンド、
特に右側のモードに違いがあると感じました。
「77 Reissue」はブライト、96年製はミッドリフト
特に違いを感じたのは、
ギターVOLを絞った時の音でした。
明らかに「77 Reissue」のほうが、
高域に伸びとバイト感もあり、音も立つ。
ゲインを上げて鳴らした時も、
音が前に飛ぶ印象がありました。
あと低域も出ているためか、
「77 Reissue」のほうがやや音に太さも感じました。
90年以降のモデルも悪くないのですが、
ゲインを上げギターVOLを絞っていった時、
クランチサウンドの音が苦手だったんですよね^^;
半面、ゲインを下げれば、
おいしいクランチサウンドのポイントはありますが、
もう少しゲインを稼ぎたい…そんな葛藤がありました。
しかし、「77 Reissue」の場合、
手元でゲインコントロールした際も、
捨て音がなかったのは驚きでした。
ただこの違いは96年製に限らず、
90年以降のモデルに感じていた部分でした。
僕が不満に感じていた部分が、この「77 Reissue」で解消されていた、僕的に気に入った一番の理由でしたね^^
まとめ
友人からは「77 Reissue」は別物、
と聞いていましたが、これは確かに別物ですね(笑)
僕はこの「77 Reissue」はかなり好みで、
ブライトチャンネルでドライブはこのぐらいにセッティングすることで、
ギターVOLでファズに近い荒々しい歪みから、
クランチ~クリーンまでコントロールできるんですよね。
一台で欲しいゲインレンジ、
それとプリアンプ的な使い方もできるので、
ここ最近はもっぱらこのペダルを愛用しています。
…で、100台限定のわりに、
ちょこちょこ中古で見かけるので、
気になった方はぜひ、弾いてみてほしいですね^^
末永く使えるペダルですよ、これは( ̄▽ ̄)
なんと!Yuuri Sounds Effectsから「77 Reissue」のパーフェクトクローンペダルを発売!
Yuuri Sounds Effectsさんと言えば、
様々なクローンペダルを独自のペイント筐体で作られているブランドさんです。
僕は「COT50」のクローンペダルを作っていただき、お世話になりました。
そんなユーリサウンドさんが77ホットケーキのリイシュー、
しかもオリジナルの基板を解析、パーフェクトクローンペダルを作られました!
ちょっと内部公開
— yuuri sound effects (@SoundYuuri) November 4, 2019
BLACK OUT pic.twitter.com/7bdsGyB0bg
で、僕の手元にチェック用で届いたのは、このペイント筐体のもの。
では、サウンドについて紹介していきましょう!
サウンドチェック!オリジナル「77 Reissue」と比較してみた
今回、手元にオリジナル77ホットケーキが2台ありましたので、
オリジナル2台とユーリサウンドさんのクローンペダルを比較してみました。
まずはバイパス音(バッファーサウンド)から。
いかがでしょう?
ファーストインプレッションとしては、
かなり近い、ほぼ同じように感じました。
ではエフェクトON、
ドライブサウンドをチェックした動画を。
実はオリジナルの77ホットケーキ自体も個体がありまして。
#31のほうは低域が強く、
コンプレッションしやすいのに対し、
もう片方(#42)はより原音感を感じるような印象があります。
今回のYuuri Sounds Effectsさんのパーフェクトクローンは、
#42の個体に近い感じであり、ほぼ個体差の範疇に収まるサウンドかなと。
もちろん、オリジナルと同様、
ギターボリュームなど手元の反応にも敏感、
コントローラブルな面も損なわれていません。
違いとしてはオリジナルよりも、
ユーリサウンドさんのペダルはややプレゼンスにピークがあり、
ロー側がややタイトですが、より原音感を感じました。
ただ、この違いもギターのトーンを駆使すれば、
オリジナルの77ホットケーキに近づけることもできるため、
結果的に「オリジナル+α」のサウンドが得られる、
クローンペダルに仕上がっている印象でした。
色々と試した結果、手元にある2台と比べ、
個体差の範疇でありながら、個人的にはオリジナルよりも、
オープンなサウンドに感じた点も魅力でしたね。
それとツマミを触った時の挙動もかなり似ているため、
オリジナル77ホットケーキのバックアップとして使っても、
そこまで違和感がないかと。この点も僕的にはかなり好印象でした。
77ホットケーキ自体、よく出来たペダルですが、
オリジナルが2000年代に100台限定で販売されたペダルであり、
なかなかに希少かつ高額で売られているなど、おすすめしにくかったのですが、
ユーリサウンドさんのおかげでおすすめできるのは僕も嬉しいです^^
残念ながら完売状態…再販について
ただ…このユーリサウンドさんのクローンも…
パーツの兼ね合いでこのレビューをしていることには完売状態でした、、
そこで!何とか…増産できないものか?
ユーリサウンドさんにお願いしています( ̄▽ ̄)
色々と手を尽くされているそうなので…
パーツを入手できた場合、販売されるとのこと!
再販時の情報はユーリサウンドさんのSNS等で、
発信されるとのことなので、是非チェックしてみてください!
Twitter:@SoundYuuri
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