現在は生産を終了している、BOSS PSM-5 Power Supply & Master Switchをレビューします。

PSM-5は、電源供給・エフェクトループ・マスタースイッチの3つの機能を備えたBOSSのコンパクトペダルです。
今回チェックしたのは、1983年日本製、1985年日本製、1998年台湾製の3台です。

今回は、PSM-5の各機能を確認しながら、日本製と台湾製でバッファーサウンドも比較しました。

PSM-5を試すきっかけは、和嶋慎治さんのインタビューでした。
| 発売年 | 1982年 |
| 生産終了 | 1999年 |
| 主な機能 | 電源供給・エフェクトループ・マスタースイッチ |
| 電源供給 | 9V OUTから分岐コードで複数台へ供給 |
| 本体消費電流 | 13mA |
| 今回の比較 | 1983年日本製・1985年日本製・1998年台湾製 |
| モデル名 | PSM-5 Power Supply & Master Switch |
| 電源 | 9V DC |
| 本体消費電流 | 13mA |
| 入力インピーダンス | GUITAR:1MΩ / RETURN:1MΩ |
| 出力負荷インピーダンス | AMP:10kΩ以上 / SEND:10kΩ以上 |
| ゲイン | UNITY |
| 周波数特性 | 10Hz〜100kHz(-3dB) |
| スイッチング | FETスイッチング |
| 端子 | GUITAR / AMP / SEND / RETURN / 9V IN / 9V OUT |
| サイズ | 70(W)×125(D)×55(H)mm |
| 重量 | 340g |
スペックは、Roland公式のPSM-5 Specificationsを参照しています。
BOSS PSM-5は1982年発売で1999年まで生産
BOSS公式ヒストリーでは、PSM-5は1982年から1999年まで生産されたモデルとして掲載されています。
Rolandのサポートページには1983〜1999年とありますが、1982年の公式カタログには、すでにPSM-5が掲載されています。
発売年については、当時のカタログとBOSS公式ヒストリーの両方で確認できる、1982年として紹介します。
BOSS PSM-5は3つの機能を備える
PSM-5は、複数台への電源供給に加えて、エフェクトループとマスタースイッチとしても使えます。
GUITAR、AMP、SEND、RETURNの各端子を備え、フットスイッチでダイレクト音とSEND/RETURNを通した音を切り替えます。
9V OUTから複数のエフェクターへ電源を供給できる

PSM-5は、9V OUTへパラレルDCコードを接続し、複数の9Vエフェクターへ電源を分配できます。
PSM-5本体の消費電流は13mAで、回路図を見ると、9V OUT用に独立した電源回路を持つ構成ではありません。
9V INへ入力された電源は、PSM-5本体の回路にも使われながら、9V OUT側へ分岐しています。
そのためPSM-5側で200mAに制限する仕組みではなく、実際に供給できる電流量は、接続するアダプターの供給能力と各エフェクターの消費電流で考えます。
Rolandのサポート情報でも、PSM-5本体の消費電流は13mAとされ、200mAまたは500mAのPSAシリーズを使用できるとあります。
所長はCAJ PB12DC9-2.1をPSM-5へ接続し、分岐コードから電源を供給しましたが、問題なく動作しました。
分岐して使う場合は、台数だけを見るのではなく、接続するペダルの消費電流を合計してアダプターの供給量に収めるようにしましょう。
当初は最大5台で後年は最大7台と案内された
1982年のRoland公式カタログでは、PSM-5から電源を供給できる9Vエフェクターは、最大5台と案内されています。
一方で後年の資料では、パラレルDCコードを使い、最大7台へ電源を供給できるモデルとして紹介されています。
この違いは供給電流の増加だけでは説明できず、初期の指定アダプターPSA-100も、9V・200mAの仕様です。
後年に案内されたPCS-20Aは8PINのパラレルDCコードで、1端子をPSM-5の9V OUTへ接続すると、残り7端子をエフェクターへ使えます。
PSM-5の回路自体が5台用から7台用へ変わったというより、実際に使う分岐コードや電源環境によって、接続できる台数が決まるとみてよいでしょう。
SEND/RETURNを使ってエフェクトループを作れる
PSM-5は、SENDからエフェクターへ繋ぎ、最後のエフェクターからRETURNへ戻してエフェクトループを作れます。
フットスイッチを踏むと、GUITARからAMPへ進むダイレクト側と、SEND/RETURNを通るループ側が切り替わります。
実際にエフェクトループとして使った範囲では、切り替えを含めて、特に不満なく使えました。
複数台の切り替えやミュートにも使える
ループ内に複数のエフェクターを繋いでおけば、PSM-5を踏むだけで、まとめて切り替えられます。
SEND/RETURNに何も繋がない場合は、ループ側へ切り替えると音が出なくなるため、ミュートスイッチとしても使えます。

またPSM-5は、フットスイッチのON/OFFに関係なくバッファーを通るため、接続するだけでも音に影響します。
日本製と台湾製でバッファーサウンドが異なる
今回用意した3台を比較すると、日本製と台湾製だけでなく、日本製同士でもバッファーを通した音に違いがありました。
| 個体 | 生産国 | 比較内容 |
|---|---|---|
| 1983年製 | 日本 | 台湾製との比較・CE-2との比較 |
| 1985年製 | 日本 | 1983年日本製との比較 |
| 1998年製 | 台湾 | 1983年日本製との比較 |

BOSS/Rolandの公開スペックでは、製造国によって入力インピーダンスや周波数特性を変更した、という案内は確認できません。
一方で実際の3台を弾き比べると、公開スペックだけでは分からない、バッファーサウンドの違いを確認できました。
1983年日本製と1998年台湾製を比較
1998年台湾製は、高域が残りやすく、煌びやかなバッファーらしい音に感じました。
1983年日本製は、角が取れたような丸みがあり、台湾製より落ち着いた音に感じました。
巻き弦を弾くと違いが分かりやすく、日本製は一聴すると、バッファーを通していることが分かりにくい音です。
ただし後段にFuzz Faceを繋ぐと、日本製でも、バッファーを通っていることが分かりやすくなります。
1983年と1985年の日本製でも音が異なる
日本製同士でも、1983年製と1985年製を弾き比べると、バッファーサウンドに違いがありました。
2台を比較すると、同じ日本製PSM-5でも、生産時期の異なる個体で同じ音にはなりませんでした。
日本製から台湾製への違いだけでなく、1983年製と1985年製でも差が出ているため、製造国だけで音を分けることはできません。
1983年製PSM-5と同年製CE-2でも音が違う
同じ1983年製のBOSSペダルとして、PSM-5とCE-2を用意し、バッファーを通した音も比較しました。
同じ1983年製でも、PSM-5とCE-2では、バッファーを通した音が異なりました。
所長はPSM-5のほうに、古さを感じる丸みがあり、CE-2よりバッファーを通した変化が目立ちにくく感じました。

一般的にイメージするBOSSのバッファーが苦手なら、日本製PSM-5の丸みがある音は、チェックしてみる価値があります。
BOSS PSM-5はバッファーサウンドまで確認して個体を選びたい
PSM-5は、電源供給やSEND/RETURNの切り替えに使えますが、接続中はフットスイッチの状態に関係なくバッファーを通ります。
今回比較した3台では、日本製と台湾製だけでなく、日本製同士でもバッファーサウンドに違いがありました。
中古で個体を選ぶなら、製造国や機能だけで判断せず、実際にバッファーを通した時の音まで確認したいモデルです。









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