今回はギリシアのハンドメイドペダル、Tsakalis AudioWorks ROOM #40をレビューします。

ROOM #40はJFETを使ったアナログ回路のペダルで、Marshall系の2モードを搭載しています。
19モードはPlexi系、22モードではJMP/JCM800系のサウンドが鳴らせます。

ギターボリュームに対する追従性も良く、手元でクリーンサウンドも作れるアンプライクなペダルです。

ノブの数は多いですが、実際に触ると役割が分かりやすいですね。
22モードには、JCM800らしいジャキッと食いつくような歪み方もあります。
| 項目 | 実機で分かったこと |
|---|---|
| 19モード | Plexi系。太くゴツッとした粗いサウンド |
| 22モード | JMP/JCM800系。ジャキッと食いつくような歪み方 |
| VARIAC | 21V側は分離感と張りが増し、7.5V側はコンプ感が強まる |
| EQ | 12時でも十分に使える。BASSとPRESENCEの変化が大きめ |
| BOOST | ゲインとハイミッドが増える。底面トリマーで量を設定 |
| スタック | 19モードは今回使用したFuzz Face系ペダルとスタックできた |
19と22の切り替えは本体中央のスイッチで行い、BOOSTは別のフットスイッチで操作します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | Tsakalis AudioWorks |
| モデル | ROOM #40 |
| 回路 | JFET |
| 19モード | Plexi系 |
| 22モード | JMP・JCM800系 |
| 音量関連 | VOLUME I・II、MASTER |
| EQ | 3バンド+PRESENCE |
| VARIAC | 内部電圧7.5V〜21V |
| BOOST | 専用フットスイッチ、底面トリマー |
| バイパス | True Bypass |
| 電源 | DC9V センターマイナス |
| 消費電流 | 最大30mA |
| サイズ | 幅73mm × 長さ123mm × 高さ55mm |
| 製造 | ギリシャ・アテネ |
レビュー動画では、19モードと22モードのサウンドを聴き比べられます。
| 機材 | 使用モデル |
|---|---|
| Guitar | Fender Custom Shop ’59 Telecaster、’60 Stratocaster |
| Pre AMP | Malin Amp D-style Preamp |
| AMP | Quilter Aviator CUB |
| Speaker | G12H-75 Cream Back |
19モードは太くゴツッとした粗いPlexi系サウンド
ROOM #40の19モードは、太くゴツッとした粗いサウンドです。
Plexiの2つの入力をジャンパーした状態が元になっており、VOLUME IとIIを混ぜる感覚で音を調整できます。
VOLUME Iでは高域側の出方が変わり、VOLUME IIでは低域側の鳴り方が変わります。
どちらのノブもゲインに影響するため、音の太さだけでなく歪み方も変わりました。
VOLUME IとIIは帯域だけでなくゲインも変わる
19モードでは、VOLUME IとIIのどちらを上げてもゲインが増します。
| コントロール | 上げたときの変化 |
|---|---|
| VOLUME I | ジャリッとした高域が増え、ゲインも上がる |
| VOLUME II | 低域が太くなり、ゲインも上がる |
| MASTER | 出力音量が上がる |
両方を下げればクリーン寄りにもなるため、欲しいサウンドに合わせて調整できます。

VOLUME Iを上げると、ジャリッとしたクリスピーな高域が出てくるため、ギターボリュームを絞った時に高域を残したい人は上げ目にすると良いでしょうね。
参照元:Tsakalis AudioWorks「ROOM #40 User Manual」
22モードはJMP/JCM800らしい食いつき感のあるサウンド
22モードはJMP/JCM800系をモチーフにしており、ジャキッと食いつくような歪み方が特徴です。
19モードとはVOLUME IとIIの役割も変わり、歪みと低域の量感をそれぞれ調整します。
VOLUME IがPRE Volumeとなり、歪みの量を変えられます。
VOLUME IIはBODYとして、低域の出方や音に迫力感を付与してくれます。
ゲインとBODYを最大まで上げても、音が飽和することもなく、使えるサウンドでした。

所長の場合、22モードではBODYを少し上げ気味で、弾くのが好みでした。
PRE Volumeではゲインが増えBODYでは低域に迫力が出る
22モードではVOLUME IがPRE Volumeになり、上げるほどゲインが増します。
VOLUME IIはBODYとして働き、低域側の音量と迫力を調整できます。
| コントロール | 上げたときの変化 |
|---|---|
| PRE Volume(VOLUME I) | ゲインが上がる |
| BODY(VOLUME II) | 低域の音量と迫力が増す |
| MASTER | 出力音量が上がる |
各ノブは過激に効きすぎず、聴こえる音に合わせて細かく調整できます。

ノブの効き方からも、よくできているペダルだと感じました。
参照元:Tsakalis AudioWorks「ROOM #40 User Manual」
VARIACは電圧を調整することで出音の印象を変えられる
VARIACを21Vまで上げると、音の分離感と張りが出てきます。
VARIACで内部電圧を調整でき、7.5V側ではコンプ感が強くなりました。
電圧を下げたときは、少し沈み込むようなサウンドになります。
22モードでもVARIACの効き方は同じで、電圧を上げるほど高域の出方も変わります。
所長の好みは、ひとまず中央付近でした。
| VARIAC | 弾いたときの変化 |
|---|---|
| 7.5V側 | コンプ感が強くなり、少し沈む |
| 中央付近 | 今回選んだ位置 |
| 21V側 | 分離感が増し、音に張りが出る |
VARIACが変えるのは内部の動作電圧で、外部電源はDC9Vを使用します。
10V以上の電源入力は故障につながるため、メーカー指定の9V電源を使いましょう。
参照元:Tsakalis AudioWorks「ROOM #40」/ROOM #40 User Manual
EQは12時のままでも問題なく使える
ROOM #40のEQは、すべて12時の設定でも違和感がなかったため、問題なく使えました。
今回はEQをすべて12時に設定し、各ノブの効き方も試しました。
BASSとPRESENCEは左へ回したとき、変化が大きく感じられました。
19モードではVOLUME IとIIでも帯域が変わるため、EQを触る前に基本の音を決められます。
場合によってはペダルよりアンプ側のEQを触るほうがよく、毎回すべてのノブを動かす必要はありません。
| EQ | 音の変化 |
|---|---|
| BASS | 左へ回すと、低域が大きく変化する |
| MIDDLE | 細かな調整に使える |
| TREBLE | 高域を細かく調整できる |
| PRESENCE | 下げると、音の煌びやかさが変化する |
なかでもPRESENCEは、3バンドEQとは異なる効き方をするコントロールです。
PRESENCEを下げると音の煌びやかさが変化する
PRESENCEを下げると、変化がわかりやすく、音の煌びやかさが付与されました。
メーカーのマニュアルによると、12時より下ではハイカットとして働きます。
12時より上では高域をブーストし、アンプの明るさに応じて調整できる仕様です。
高域がうるさいと感じた場合は、TREBLEかPRESENCEを下げると調整できます。

ギターボリュームを絞った音の調整にも、PRESENCEは効果的だと感じました。
参照元:Tsakalis AudioWorks「ROOM #40 User Manual」
BOOSTを踏むとゲインとハイミッドが増える
BOOSTを踏むとゲインが上がり、ハイミッドも強調された抜けのよいサウンドになります。
過激に歪ませるブーストではなく、プリアンプ段を足したような自然な感覚でした。
筐体裏のトリマーでブースト量の調整が可能であり、所長はデフォルト設定よりも少しゲインを稼ぐ設定で鳴らしました。
メーカー曰く、BOOSTは改造Marshallのサウンドをモチーフとしており、2種類のMODを挙げています。
19モードのBOOSTはMOD #39をモチーフにしたサウンド
19モードでBOOSTを踏むと、MOD #39を意識したサウンドになります。
元になったStock #39は機材レンタル会社S.I.R.が保有していた100WのMarshallで、1984年にTim Caswellが改造したアンプです。
改造では未使用だったトレモロ回路の真空管を利用し、プリアンプのゲイン段を追加したモディファイとのことです。
参照元:Tsakalis AudioWorks「ROOM #40」/Caswell Amplification「Backstory」
22モードのBOOSTはMOD #34をモチーフにしたサウンド
22モードのBOOSTはMOD #34を意識しており、改造JCM800系のサウンドを狙ったものです。
MOD #34はSlashが使用していた改造JCM800 2203に由来し、MarshallのシグネチャーアンプAFD100にも#34モードが搭載されています。
AFD100はSlashのシグネチャーアンプで、Marshallが『Appetite for Destruction』にちなんで命名した100Wモデルです。
AFD100には#34モードが搭載されており、Slashが愛用したJCM800 2203をベースにしています。
もう一つのAFDモードは、同アルバムの録音で使用したとされるレンタルアンプを元にしています。
参照元:Tsakalis AudioWorks「ROOM #40」/Marshall「シグネチャー・ヒストリー Part 3」
BOOSTのゲイン量は筐体裏にあるトリマーで調整できる
BOOSTのゲイン量は筐体裏にあるトリマーで調整でき、回す位置によってブースト量が変わります。
22モードではトリマーを上げたほうが、BOOSTの変化が分かりやすい印象でした。
ゲインを下げ気味にすると、ハイミッドが強調されて抜けてきました。

トリマーを最大まで上げても極端には歪まないため、基本の歪みはBOOST OFFの状態で作りましょう。
19モードはスタックペダルとしても使える
ROOM #40の19モードをスタックペダルとして試すと、手前でFuzz Face系を踏んでもおかしな挙動はしませんでした。
今回使用したFuzz Face系ペダルはOrganic Sounds Orga Face BC183Lで、所長も普段から愛用しているシリコンファズです。
19モードではファズの質感も残っていたため、スタックできる印象でした。
22モードでは音が飽和して潰れる印象があり、Fuzz Face系とのスタックは難しいと感じました。
ちなみにスタックペダルのチェックにFuzz Face系を使うのは、所長が普段から愛用しているためです。
経験上、Fuzz Faceをスタックできるなら、他の歪みペダルでも問題ないからです。
Tsakalis AudioWorks ROOM #40がおすすめの人
- Plexi系やJCM800系のサウンドが欲しい人
- アンプの操作感で音作りをしたい人
- 一台でモアゲイン(ブースト)サウンドを鳴らしたい人
- スタックペダルが欲しい人
Tsakalis AudioWorks ROOM #40が向かない人
- Marshall系以外のアンプサウンドを中心に使いたい人
- 2種類のマーシャルサウンドをフットスイッチで切り替えたい人
- フットスイッチの切り替えでハイゲインを得たい人
PlexiとJCM800系を1台で鳴らせるROOM #40
ROOM #40はノブが多いですが、実際に触ると役割が分かりやすいペダルでした。
19モードのVOLUME IとIIには最初少し戸惑うかもしれませんが、触っていけばすぐに慣れるでしょう。
マーシャル系ペダルは数多くありますが、PlexiとJCM800に絞ったサウンドが欲しい人にはたまらないモデルです。
JCM800らしいジャキッとした食いつきもあり、ROOM #40はよくできたペダルだと感じました。

Marshall系ペダルを探しているなら、候補に入れてもよい一台ですね。








コメント