今回は、独特の揺れ方を持つ70年代のヴィンテージフェイザー、JHS PZ-III Phaserをレビューします。

JHS PZ-III Phaserは、現行のJHS Pedalsとは異なるイギリスのJohn Hornby Skewesが扱っていたアナログフェイザーです。
1970年代中頃にイタリアのJenが製造したとされ、同系統のモデルは異なるブランド名でも流通していました。
今回は1978年製のMXR Phase 90を用意し、クリーンでの揺れ方や歪みペダルと組み合わせた時の違いを確認しました。

存在は知っていましたが、現物を弾くのは今回が初めてでした。
| どんな機材か | SpeedとIntensityを備えた70年代のヴィンテージフェイザー |
| 基本の揺れ方 | どこかかかりきらない感じがある独特のサウンド |
| つまみを最大にした時 | かなりエグい揺れ方になる |
| Phase 90との違い | Phase 90はエフェクト感が強く、PZ-IIIは原音感が残る |
| 気になったところ | バイパス時の音の変化が大きい |
| ブランド | JHS(John Hornby Skewes) |
| モデル名 | PZ-III Phaser |
| 種類 | アナログフェイザー |
| 年代 | 1970年代中頃とされる |
| コントロール | Speed、Intensity |
| 製造 | イタリアのJenが製造したとされる |
| 比較したペダル | 1978年製 MXR Phase 90 |
| 筐体 | Phase 90の約1.5倍 |
| エフェクター | JHS PZ-III Phaser |
| ギター | Fender Telecaster |
| アンプ | Quilter Aviator |
| 比較したペダル | 1978年製 MXR Phase 90 |
| 確認した設定 | SpeedとIntensityのつまみを目盛り5、最大、最小に設定 |
| 確認した内容 | クリーン、バイパスサウンド、歪みペダルとの組み合わせ |
JHS PZ-III PhaserはJenが製造したとされる70年代のフェイザー
PZ-III PhaserのJHSは、現行のJHS Pedalsではなく、イギリスのJohn Hornby Skewesを指します。
John Hornby Skewesは1965年に設立され、楽器や関連製品を扱ってきたイギリスの会社です。
PZ-III Phaserは1970年代中頃にイタリアのJenが製造し、John Hornby Skewesから販売されたモデルとされています。
同系統のフェイザーはJHSだけでなく、FBT、Ricken’s、Zentaなどのブランド名でも流通していました。
本体には揺れの速さを変えるSpeedと、揺れの深さやかかり方を変えるIntensityが搭載されています。
SpeedとIntensityだけのシンプルな構成ですが、つまみの位置によって揺れ方が大きく変化するフェイザーです。
JHS PZ-III Phaserの基本サウンド
PZ-III Phaserは、つまみの目盛りによまみの目盛りによって穏やかな揺れから、かなりエグい揺れまで変化します。
目盛りを5にした時は、どこかエフェクトがかかりきらないような、独特の揺れ方がありました。
SpeedとIntensityを最大にすると、目盛りを5にした時とは異なり、かなり強い揺れ方になります。
バイパス時には音痩せを感じましたが、エフェクトをオンにした時に、不自然な音量の上昇はありませんでした。
極端に音量が下がる感じもなく、揺れ方の癖が好みに合えば、十分に実用的だと思います。
つまみには位置を示す矢印がないため、動画では本体にプリントされた目盛りを基準に確認しました。
つまみの目盛りを5、最大、最小にした時のサウンド
SpeedとIntensityのつまみを目盛り5に合わせると、どこかかかりきらない感じのある揺れ方になります。
一般的なフェイザーとは異なる癖があり、フェイザーの効果だけが、前に出るようなかかり方ではありません。
SpeedとIntensityを最大にすると、揺れ方は一気に強くなり、かなりエグいサウンドになります。
両方を最小にした時のサウンドも確認し、つまみの位置による、揺れ方の幅を比べました。
最大にした時は効果音的な使い方もでき、アヴァンギャルドなサウンドにも使えそうです。

SpeedとIntensityを最大にした時は、このペダルでしか出せない個性を感じました。
バイパス時の音の変化とエフェクトオン時の音量
PZ-III Phaserはバイパス時に音痩せがあり、高域などの情報量を、持っていかれるように感じました。
1978年製のPhase 90もバイパス時に音が変わりますが、PZ-III Phaserは、それ以上に変化が大きく感じます。
エフェクトをオンにした時は、音量が不自然に上がるような、ブースト感はありませんでした。
極端に音量が下がることもなく、バイパス時の変化を許容できるかが、使用時の判断材料になります。
MXR Phase 90と弾き比べた時の違い
1978年製のMXR Phase 90と比べると、扱いやすく使い勝手が良いのは、Phase 90です。
Phase 90はエフェクトがかかっている感じが前に出ますが、PZ-III Phaserは、原音感が残ります。
PZ-III Phaserは深くかかりきらないような、何とも言えない独特の混ざり方をするところが、Phase 90との違いです。
Phase 90はフェイザーの効果が分かりやすく、PZ-III Phaserよりも、普段の演奏に取り入れやすく感じました。
PZ-III PhaserはPhase 90とはキャラクターが異なり、原音を残した独特のかかり方に、面白さがあります。
SpeedとIntensityを最大にした時は、PZ-III Phaserならではの、過激な揺れ方も確認できました。
歪みペダルと組み合わせた時のサウンド
PZ-III Phaserはクリーンだけでなく、歪みペダルと組み合わせた時にも、独特のサウンドを確認できました。
動画ではPZ-III Phaserの後段に歪みペダルを置き、同じ歪みのセッティングで、1978年製のPhase 90とも比較しています。
さらにPZ-III Phaserの前段にオクターブファズを置き、入力音を深く歪ませた時の、揺れ方も確認しました。
歪みを深くするとアグレッシブで過激な音になりますが、PZ-III Phaserは、揺れの中に元の音が残ります。
Phase 90でも同じような効果は得られますが、PZ-III Phaserでは、元の音が濁らずに残るところが印象的でした。
PZ-III Phaserの後段に歪みペダルを置いてみた時のサウンド
PZ-III Phaserの後段に歪みペダルをつなぐと、クリーンで鳴らした時よりも、ペダルの個性が出ます。
同じ歪みのセッティングでPhase 90を鳴らすと、PZ-III Phaserとは、サウンドキャラクターが大きく異なりました。
Phase 90はエフェクト感が前に出ますが、PZ-III Phaserは、原音感が残る混ざり方になります。
歪みペダルと組み合わせることで、クリーンだけで確認した時とは異なる、PZ-III Phaserのかかり方を確認できました。
PZ-III Phaserの前段にオクターブファズを置いてみた時のサウンド
PZ-III Phaserの前段にオクターブファズを置くと、よりアグレッシブで、過激なサウンドになります。
入力音を深く歪ませても、PZ-III Phaserは揺れの中に、元の音が濁らずに残ります。
Phase 90でも同じような効果は得られますが、PZ-III Phaserでは、異なるテクスチャーを作れました。
元の入力音を激しく歪ませてからPZ-III Phaserへ入れると、クリーンとは異なる、面白いサウンドになります。
Phase 90より大きいオレンジ色の筐体
PZ-III Phaserは、Phase 90の約1.5倍となる、大きめの筐体です。
Phase 90と同じオレンジ色ですが、PZ-III Phaserのケースデザインも、センスが良いと感じました。
所長は本などの資料で存在を知っていましたが、実際の個体を見るのは、今回が初めてです。
現物を見る前からサウンドを楽しみにしていましたが、実際に弾いてみると、期待を裏切らない個性的な音でした。
サイズはPhase 90より大きいものの、オレンジ色のケースと、大きめの筐体による佇まいも印象に残ります。

オレンジ色のケースデザインと、大きめの筐体の佇まいが良いですね。
JHS PZ-III Phaserがおすすめの人
- Phase 90とは異なるフェイザーを試したい人
- ファズや深い歪みと組み合わせて過激な音を作りたい人
- 効果音的なフェイザーサウンドを取り入れたい人
- 70年代のヴィンテージフェイザーに興味がある人
JHS PZ-III Phaserをおすすめしない人
- バイパス時の音の変化を避けたい人
- Phase 90のように扱いやすいフェイザーを求める人
- コンパクトな筐体を優先する人
PZ-III PhaserはPhase 90とは異なる個性を持つヴィンテージフェイザー
JHS PZ-III Phaserは、Phase 90より原音感が残り、何とも言えない独特の混ざり方をするヴィンテージフェイザーです。
Phase 90の方が扱いやすいものの、SpeedとIntensityを最大にした時は、PZ-III Phaserでしか出せない個性があります。
ファズのような深い歪みを前段に置くと、揺れの中に元の音を残しながら、アグレッシブで過激な音を作れました。
バイパス時の音の変化は大きいですが、独特のかかり方が好みに合えば、十分に実用的なヴィンテージフェイザーです。

弾いたことのなかったレアな機材を、サウンドの記録として残せたのも良かったですね。








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