
Suhr Thornicus Fuzz、ファズとオクターブファズがニコイチになったペダルをレビューします。
Suhr Thornicus Fuzzは、Big WreckやThornleyで知られるIan ThornleyとKevin Suhrの共同開発によって生まれた、Ian Thornleyシグネチャーのファズ/オクターブファズです。
太く表情豊かなファズと、荒々しく花開くようなオクターブファズを1台にまとめつつ、Fuzz側とOctave側をそれぞれ独立して作り込めるように設計されています。
参照元:Thornicus Fuzz – Okada International Inc
さらにSuhr Thornicus Fuzzは、Fuzz側とOctave側を備えたデュアル・チャンネル仕様で各種ツマミも搭載、1台で異なる2つのファズサウンドを鳴らせる点が特徴です。
今回のレビューにあたり、Fuzz側とOctave側を実際に弾き比べた動画も撮影しました。
記事では音の方向性や使いどころを整理しつつ、細かいツマミの効き方は動画でも確認できるようにしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種別 | ファズ/オクターブファズ |
| 回路 | アナログ、マルチ・ディスクリート・トランジスタ・ファズ回路 |
| 構成 | Fuzz側/Octave側 |
| コントロール | 各チャンネルに Sustain/Mids/Tone/Level |
| フットスイッチ | 両チャンネルの同時使用は不可 |
| バイパス | リレー式トゥルーバイパス |
| MIDI | PC/CC対応 |
| 電源 | 9VDC センターマイナス |
| 消費電流 | 最大30mA |
| 入力インピーダンス | Fuzz側 約30kΩ/Octave側 約450kΩ |
| 出力インピーダンス | 約236Ω |
| 国内価格 | 66,000円(税込) |
1台で異なる2つの音を使い分けられるファズエフェクター
Suhr Thornicus Fuzzの大きな特徴は、Fuzz側とOctave側を別々に作り込める点です。
片側を太く濃いファズにして、もう片側をオクターブ感の強い派手な音に設定できます。
1台で異なる2つの音を使い分けられる点が、Suhr Thornicus Fuzzの魅力です。
Octave側はFuzz側と同じ土台にオクターブ回路を重ねた構成で、右側にも専用のSustain、Mids、Tone、Levelを備えています。
共有コントロールで妥協する作りではなく、それぞれの音をしっかり分けて作れます。
厚みのある轟音ファズとアッパーオクターブファズサウンドが鳴らせる
実際に鳴らすと、Fuzz側は厚みとサステインがあり、Big Muff系を連想させるサウンドにも感じました。
ただし、重たく飽和するだけではなく、輪郭を残しつつ太さも出すことが可能です。
Octave側は上の倍音がしっかり出るアッパーオクターブファズサウンド、Octavia系を連想させるサウンドにも感じました。
ピッキングの強さや音域によって表情が変わりやすく、荒々しく暴れさせることもできれば、リングモジュレーター的なサウンドも鳴らせます。
レビュー用に撮影した動画でも、Fuzz側とOctave側で鳴り方が大きく変わる点は分かりやすく出ています。
中域を調整できるのでバンドでも使いやすい
Suhr Thornicus Fuzzは、両側にMidsノブを備えています。
Midsは左回しいっぱいでミッドスクープ寄り、右回しいっぱいでフラット寄りに変化します。
ファズは単体で気持ちよく鳴っても、バンドなどアンサンブルに入ると埋もれる場合がありますが、抜け感をコントロールできるのも強みです。
Suhr Thornicus FuzzならFuzz側は太さ重視、Octave側は抜けのあるサウンドが得られます。
バッファードペダルの影響はFuzz側のほうが受けやすい
Suhr Thornicus Fuzzは、Fuzz側とOctave側で入力インピーダンスが異なります。
実際に試した印象でも、Fuzz側は手前にバッファードペダルをつなぐと影響を受けやすいです。
ただ、ToneとMidsを調整すれば、十分に鳴らせる範囲へ持っていけます。
一方で、Octave側はFuzz側より入力インピーダンスが高いこともあって、前段バッファーの影響は少なめでした。
ペダルボードに組み込んだときの扱いやすさでは、Octave側のほうが影響は受けにくいといえます。
各ツマミの効き方について動画で解説
Suhr Thornicus Fuzzは、両チャンネルに以下、4つのツマミがあります。
- Sustain
- Mids
- Tone
- Level
細かいツマミの効き方は、実際の音を聞いたほうがわかりやすいと思いますので、レビュー動画で確認してみてください。
Levelは音量調整だけでなく、アンプの前段へ入る信号の強さにも関わります。
Levelを上げれば、アンプをより強くプッシュできるので、ブースター的に使うことも可能です。
フットスイッチでファズ/オクターブファズの切り替えが可能
Suhr Thornicus Fuzzの2つのフットスイッチは、同時使用する仕様ではありません。
どちらかを踏むと選んだ側が有効になり、もう片方は自動でオフになります。
同じスイッチをもう一度踏むと、バイパスへ戻るため、複雑な重ねがけはできません。
ただ、そのぶん今どちらが鳴っているかを把握しやすく、ライブでは扱いやすいです。
さらに10秒以上その状態を保つと、次回起動時も同じ側とオンオフ状態で立ち上がる機能も搭載されています。
MIDI対応でスイッチャー派にも便利
Suhr Thornicus FuzzはMIDIに対応しており、Fuzz側とOctave側を外部から呼び出せます。
Program ChangeではFuzz側/Octave側の呼び出しを保存できます。
例えば、CC#0でペダル全体のオンオフ、CC#1でFuzz側、CC#2でOctave側のオンオフなども行えます。
単体で使うなら本体スイッチでも十分ですが、スイッチャーやMIDIコントローラーを使う環境なら、曲ごとにFuzz側とOctave側を呼び分けやすくなります。
足元の操作をまとめたい人には、便利な機能といえるでしょう。
Suhr Thornicus Fuzz まとめ
Suhr Thornicus Fuzzは、通常のファズとオクターブファズを1台にまとめながら、Fuzz側とOctave側を個別に作り込めるモデルです。
Fuzz側とOctave側でキャラクターがはっきり分かれており、1台で幅広く使い分けられる点が魅力です。
中域を調整できるMidsノブや、外部からFuzz側とOctave側を呼び出せるMIDI機能も含めて、実戦で使いやすいようによく考えられています。
実際に弾いてみても、通常のファズだけでは出しにくい幅を持った1台でした。
価格は66,000円ですが、性格の異なる2つのファズを1台にまとめて、瞬時に切り替えられると考えると、見方はかなり変わります。
2台分の役割をこの1台でまかなえると考えれば、魅力のある価格設定と考えることもできるでしょうね。








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